年代別タイムライン
創業年順に主要店舗の系譜を辿る
系統グループ
INGS系(はやし田)
株式会社INGSが展開するラーメンブランド群。代表・青柳誠希が漫画「クローズ」をテーマにしたブランディングで「らぁ麺 はやし田」「煮干中華そば 鈴蘭」「らぁ麺 鳳仙花」等を多ブランド展開。伝統的な師弟関係ではなく企業型の開業支援モデルで拡大。
一風堂系
1985年に福岡市中央区大名で河原成美が創業した「博多一風堂」を中心とする系譜。博多豚骨ラーメンの系統だが、白丸(クリーミーな豚骨)と赤丸(辛味噌の豚骨)の2本柱でモダンなスタイルを確立。TVチャンピオン3連覇で殿堂入り。新横浜ラーメン博物館出店で全国区に。2008年にニューヨーク進出し、ラーメンを世界的なグルメに押し上げた立役者。力の源ホールディングスとして東証上場。
七彩系
2007年に阪田博昭と藤井吉彦が都立家政で創業した「麺や七彩」を源流とする系譜。注文を受けてから粉から麺を打つ「注文後手打ち」は日本初・業界初の試み。喜多方ラーメンをルーツとした無化調の手揉み麺ラーメンが特徴。食材への徹底的なこだわりから多くの弟子を輩出。
丸長系
1947年に長野県出身の蕎麦職人5名が東京・荻窪で共同創業した「丸長」を源流とする系譜。豚骨スープに日本蕎麦の技法で魚介出汁を加える手法を編み出し、つけ麺の原型を生んだ。日本最古のラーメンのれん会「丸長のれん会」(1959年創立)を形成。
ラーメン二郎
1968年に山田拓美が東京・三田に創業した「ラーメン二郎」を源流とする系譜。極太麺、豚骨醤油の濃厚スープ、大量の野菜(もやし・キャベツ)、分厚い豚(チャーシュー)が特徴。「ニンニク入れますか?」のコール文化でも知られる。三田本店で修業した店主が暖簾分けを受けた直系店で構成される。
二郎インスパイア系
ラーメン二郎のスタイル(極太麺、大量野菜、濃厚豚骨醤油)にインスパイアされた店舗群。二郎直系ではないが、二郎の精神を独自に解釈・発展させている。「ラーメン大」の堀切系、「立川マシマシ」のマシマシ文化発展形、「豚山」のチェーン展開など多様な形態がある。
京都系(たかばし)
1938年に徐永俤が京都駅前「たかばし」で創業した新福菜館と、1947年に田口有司が隣に開業した第一旭を二大源流とする京都ラーメンの系譜。新福菜館は真っ黒な濃口醤油スープ、第一旭は九条ネギたっぷりの醤油豚骨が特徴。第一旭は8系統以上に分岐し全国に展開。
佐野系
1960年代に栃木県佐野市で発展した手打ちラーメンの系譜。青竹手打ちの平打ち縮れ麺と、澄んだ醤油ベースのあっさりスープが特徴。佐野市は「ラーメンのまち」を宣言し、200軒以上のラーメン店がひしめく。青竹打ちの技法は全国でも珍しい。
八王子系
1959年に東京都八王子市で創業した「初富士」を起源とする醤油ラーメンの系譜。刻み玉ネギをトッピングするのが最大の特徴で、醤油ベースのスープに豚の背脂を浮かべるスタイル。八王子市内に100軒以上のラーメン店がある。
勝浦タンタンメン系
1954年頃に千葉県勝浦市で始まった担々麺の系譜。四川風の芝麻醤(ゴマペースト)を使わず、醤油ベースのスープにラー油と玉ネギのみじん切りを大量に使用するのが特徴。漁師や海女が体を温めるために食べたのが起源。2015年にB-1グランプリでゴールドグランプリ受賞。「千葉三大ラーメン」の一つ。
博多系
1937年に福岡県久留米市で宮本時男が創業した「南京千両」を源流とする豚骨ラーメンの系譜。久留米から博多・長浜へと広がり、白濁豚骨スープ、極細麺、替え玉文化を生み出した。
台湾まぜそば系
2008年に愛知県名古屋市の「麺屋はなび」店主・新山直人が考案した汁なし麺の系譜。台湾ミンチ(唐辛子とニンニクで炒めた挽肉)を太麺に乗せ、ニラ・ネギ・魚粉・卵黄・海苔を混ぜて食べるスタイル。「名古屋めし」の新定番として全国に広がり、「追い飯」(残りのタレにご飯を入れて食べる)文化も特徴。
和歌山系
和歌山ラーメンは「車庫前系」と「井出系」の2大潮流に大別される。車庫前系は南海電鉄車庫前の屋台街を起源とする澄んだ醤油豚骨、井出系は井出商店を中心とした濃厚豚骨醤油。1998年のTVチャンピオン「日本一うまいラーメン決定戦」で井出商店が優勝し全国的ブームに。早寿司(鯖の押し寿司)との組み合わせが名物。
喜多方系
大正末期に中国浙江省出身の潘欽星が福島県喜多方で屋台から広めた中華麺を源流とする系譜。100人以上に技術を伝授した源来軒を起点に、醤油ベース×平打ち縮れ麺のスタイルが確立。人口あたりのラーメン店密度が日本一の「ラーメンのまち」を形成。日本三大ラーメン(札幌・喜多方・博多)の一角。源来軒は2025年9月に閉店。
大勝軒系
1961年に「ラーメンの神様」山岸一雄が東池袋に創業した「東池袋大勝軒」を源流とするつけ麺の系譜。「特製もりそば」で全国的なつけ麺ブームを牽引。山岸のもとで修行した弟子たちが全国に大勝軒の味を広めた。永福町大勝軒は別系統。
天下一品系
1971年に京都市左京区で木村勉が屋台から創業した「天下一品」の系譜。鶏ガラを長時間煮込んだ超濃厚なポタージュ状スープ(こってり)が最大の特徴。「こってり」「あっさり」の2種のスープが選べるシステム。全国に230店舗以上を展開するチェーンだが、各店舗の味にばらつきがあるのも特徴。10月1日は「天下一品の日」。
家系
1974年に吉村実が横浜で創業した「吉村家」を源流とする豚骨醤油ラーメンの系譜。濃厚な豚骨醤油スープに太ストレート麺、海苔・ほうれん草・チャーシューが基本構成。直系・壱系・資本系に大別される。
富山ブラック系
1947年に富山県富山市で創業した「大喜」を源流とする真っ黒な醤油ラーメンの系譜。戦後復興期に肉体労働者の塩分補給を目的として、大量の醤油を使った真っ黒なスープにメンマと粗挽き黒胡椒が特徴。白飯と一緒に食べることを前提とした味付けで、ご飯のおかずとしてのラーメン文化を形成。2009年の東京ラーメンショーで全国的に知られるようになった。
尾道系
1947年に広島県尾道市で中国福建省出身の朱阿俊が創業した「朱華園」を源流とするラーメンの系譜。鶏ガラ・豚の背脂をベースにした醤油スープに、瀬戸内の小魚出汁を加えたのが特徴。平打ちの中細麺と背脂のミンチが浮くスープが独特。朱華園は2019年に惜しまれつつ閉店したが、その味は多くの後継店に受け継がれている。
徳島系
徳島ラーメン(中華そば)は戦後1949年頃に小松島の屋台から始まったとされる。日本ハムの前身「徳島ハム」の工場が徳島にあり、大量の豚骨・豚ガラが安価に供給されたことが豚骨スープ主流化の背景。スープは白系(小松島系:あっさり豚骨の白いスープ、最も古いスタイル)、茶系(徳島系:豚骨醤油の茶褐色スープ、生卵、甘辛い豚バラ肉)、黄系(鳴門系:鶏ガラベースの黄色いスープ)の3系統に大別される。1999年にいのたにが新横浜ラーメン博物館に出店し全国的ブームとなった。
旭川系
1947年(昭和22年)に蜂屋と青葉が創業し、旭川ラーメンの源流を築いた系譜。最大の特徴は豚骨と魚介を別々に炊いてブレンドする「ダブルスープ(Wスープ)」と、加水率25〜29%の低加水縮れ中細麺。寒冷地ゆえにスープ表面をラードで覆い冷めにくくする工夫も独自の特徴。蜂屋創業者・加藤枝直とその兄・加藤熊彦が開発した低加水麺は、加藤ラーメン(製麺所)を通じて旭川全域に普及し、ご当地ラーメン文化を形成した。日本三大ラーメン(札幌・喜多方・博多)に並ぶ北海道を代表するラーメンスタイル。
札幌味噌系
1954年に札幌市で大宮守人が「味の三平」で味噌ラーメンを考案したのが起源。濃厚な味噌スープ、中太縮れ麺、炒め野菜(もやし・玉ネギ)、バターコーンなどが特徴。札幌を「味噌ラーメンの聖地」として全国に知らしめた。日本三大ラーメンの一つ。
油そば系
1954年に東京都武蔵野市の亜細亜大学近くで創業した「珍々亭」を元祖とする汁なし麺の系譜。醤油ダレとラー油・酢を絡めた太麺が特徴。スープがないためカロリーが低いとされ、学生を中心に人気。2000年代以降チェーン展開も進み全国に広まった。
淡麗系
2010年前後に東京で確立された、清湯(ちんたん)ベースの上品で洗練されたラーメンの系譜。ミシュラン掲載店を多数輩出し、ラーメンを世界的な美食の一つに押し上げた。
煮干し系
秋田県角館の「自家製麺 伊藤」を源流とする煮干しラーメンの系譜。2004年に弟が東京・王子神谷に出店し煮干しブームの火付け役に。あっさり煮干しから濃厚煮干しまで多様なスタイルに分化。
熊本系
1952年に久留米の「三九」が熊本県玉名市に出店したことを契機に、木村一・山中安敏・劉壇祥の3人が熊本市内にラーメン店を開業し発展した系譜。豚骨ベースに鶏ガラをブレンドしたスープ、中太ストレート麺、マー油(焦がしにんにく油)やニンニクチップが特徴。1968年の桂花ラーメン東京進出で全国に知られ、味千ラーメンの海外展開で世界的ブランドとなった。
燕三条系
1933年に中国浙江省出身の徐昌星が新潟県燕市で始めた屋台を起源とする背脂ラーメンの系譜。煮干し出汁の濃口醤油スープに大粒の豚背脂、うどん並みの極太麺、生玉ネギが特徴。工場街の労働者向けに発展。
白河系
1959年に福島県白河市で竹井和之が創業した「とら食堂」を源流とする手打ちラーメンの系譜。鶏ガラベースの澄んだ醤油スープに、幅広の手打ち縮れ麺が特徴。竹井和之の「とら系」と呼ばれる弟子筋の店が白河市内を中心に数十店舗展開する一大勢力。
竹岡式
1954年に千葉県富津市竹岡で創業した「梅乃家」を源流とするラーメンの系譜。乾麺(都一製麺の乾麺)を使い、チャーシューの煮汁をお湯で割っただけのシンプルなスープが特徴。薬味の刻み玉ネギも特徴的。「千葉三大ラーメン」の一つ。
米沢系
1920年代に山形県米沢市で始まったラーメンの系譜。手打ちの細縮れ麺と、あっさりした醤油ベースのスープが特徴。牛骨・鶏ガラ・煮干しの合わせ出汁を使う店が多い。人口あたりのラーメン店数が日本一多い地域として知られる。
サンマーメン系
1945年頃に横浜市中区の「玉泉亭」で考案されたとされる神奈川県のご当地ラーメン。醤油ベースのスープにもやし・白菜・豚肉などの五目あんかけを乗せたのが特徴。「サンマー」は広東語の「生馬」(新鮮な具材をシャキッと炒める)に由来し、秋刀魚とは無関係。横浜の中華料理店を中心に神奈川県全域で提供され、県民のソウルフードとして親しまれている。
ちゃん系
2020年に神田で創業した「ちえちゃんラーメン」を起源とする中華そばの系譜。永福町大勝軒の「もり中華」文化にインスパイアされ、背脂あっさりスープ、もちもちちぢれ麺、切りたてチャーシューが特徴。「ちゃんのれん組合」として組織化。
純すみ系(札幌味噌)
1964年に村中明子が札幌で創業した「純連(じゅんれん)」を源流とする濃厚味噌ラーメンの系譜。三男・村中伸宜が「すみれ」を開業し、1994年の新横浜ラーメン博物館出店で全国区に。ラード膜で熱を閉じ込めた濃厚味噌スープが特徴。日本三大ラーメン(札幌・喜多方・博多)の一角。
酒田系
1926年に山形県酒田市で始まったラーメンの系譜。自家製手打ちの細縮れ麺と、魚介出汁ベースのあっさり醤油スープが特徴。ワンタンメンが名物で「酒田のワンタンメン」として知られる。庄内地方の港町文化を反映した素朴な味わい。
長岡系
1963年に新潟県長岡市で青島食堂が始めた生姜醤油ラーメンの系譜。豚骨・鶏ガラベースの濃口醤油スープに生姜を効かせたのが最大の特徴。燕三条系の背脂ラーメンとは異なるスタイルで、新潟県の「5大ラーメン」の一つに数えられる。
長浜系
1952年に福岡市中央区長浜の魚市場前で榊原松雄が創業した「元祖長浜屋」を源流とする系譜。博多系の豚骨ラーメンから派生し、魚市場で働く人々に素早く提供するため極細麺と替え玉システムを考案。「ベタ(背脂多め)・カタ(麺硬め)・ナシ(ネギ抜き)」の注文スタイルも特徴。
青葉系
1996年に芳賀良則が東京・中野に創業した「中華そば 青葉」を源流とする系譜。動物系(豚骨・鶏ガラ)と魚介系(鰹節・鯖節・煮干し)を別々に作り提供直前に合わせる「ダブルスープ」を確立し、豚骨魚介ラーメンという一大ジャンルを創出。麺屋武蔵、くじら軒と共に「96年組」と呼ばれる。
飛騨高山系
1938年に岐阜県高山市で中国系料理人が「まさごそば」で提供したのが起源とされるラーメンの系譜。鶏ガラベースのあっさり醤油スープに、細い縮れ麺が特徴。スープと麺を一つの寸胴で一緒に煮込む独特の製法(鍋ひとつで完成)が他の地方ラーメンにない最大の特徴。高山では「中華そば」と呼ばれる。
すず鬼系
2019年に鈴木信介が東京・三鷹に創業した「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼」を起源とする系譜。アリランラーメン(千葉・長生村)の玉ねぎ・ニラ・ニンニク炒め、二郎系の極太麺・ボリューム、竹岡式ラーメン(千葉・富津)の宮醤油を独自に融合した「スタ満ソバ」という新ジャンルを確立。どの既存系譜にも属さない独学融合型の代表格で、FC・暖簾分け・プロデュース店を全国展開中。
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